文鳥のコクシジウム症の治療記録(症状と治療薬)
公開日 最終更新日 | 病気・ケガ
我が家の文鳥が、コクシジウム症に感染したときの症状と、治療についての記録です。
どのような治療をしたのか、また治療中に注意したことを紹介します。
コクシジウム症を発見するまで
2021年2月、ペットショップで出会った1羽のシルバー文鳥をお迎えしました。
ペットショップなどでは1つのケースに複数の鳥が飼育され、共通の給餌スポイトで挿し餌をおこなっていることが多いため、特にヒナや幼鳥は寄生虫などの感染症にかかっている可能性が高いと言われています。
お迎えをした翌日、感染症の検査をしてもらうために、動物病院へ行き健康診断を受けましたが、幸いにも寄生虫は検出されませんでした。
安心できたところで、いよいよ新しくお迎えしたシルバー文鳥との生活が始まります。
我が家には、3歳になる先住の白文鳥がいますが、新入りのシルバー文鳥は、生後30~40日くらいで、ちょうど学習期を迎えていたので、人間に馴らしたり、水浴びやキャリーケースに慣らすために、しばらくは白文鳥と時間をずらして放鳥することにしました。
始めのうちは緊張してるようでしたが徐々に慣れていき、元気に遊ぶようになったので安心していました。
下痢便が出る
ところが、我が家に来て7日目に異変が現れました。ケージの床を見てみると、形がなく潰れた状態のフンが何個も落ちています。お迎えしたときから少しフンが柔らかいなと思っていましたが、この日は明らかに形状が完全に崩れて、泥を落としたようなフンの跡でした。
先週の検査で異常がなかったこと、元気があること、体重が減っていなかったことから、しばらく様子を見ることにしましたが、通常の形状に近い柔らかいフンをしたり、完全に下痢のフンをしたり、3日ほど不安定な状態が続きました。
この頃、主食をシードからペレットに少しづつ切り替えているところで、フンが柔らかいのは食生活の変化が原因である可能性もありました。
血便が出る
しかし、下痢が始まってから4日目の朝、血液のようなものが付着したフンがケージの床に落ちていました。
その他の症状として、先住の文鳥はフンが無臭なのに対して、新しいの子のフンは少し臭い匂いがしました。
この日の血便はこの1度きりでしたが、異常であると判断して、その日の午後に動物病院へ行き検査してもらうことにしました。
あらかじめ撮影した血便の写真を獣医師に見てもらい、現在の症状をできるだけ詳細に説明をしました。
そしてフンの検査してもらったところ、コクシジウム症に感染していることが判明しました。
先週の検査で感染症の所見がなくても、たった1週間で状態が変化することがあり、特に幼いうちは常に注意を払わないといけないのだと勉強させられました。
他の文鳥にも感染していないか調べてもらうため、同居の白文鳥のフンも一緒に持って行き検査をしてもらいましたが、幸いにも感染はしていませんでした。
コクシジウム症について
コクシジウム症は、コクシジウムという寄生虫が腸内に入り炎症を起こす病気です。
腸粘膜細胞に侵入し、増殖と分裂を繰り返して腸粘膜を破壊し続け、やせ衰えて死んでしまうこともあります。
体力のある個体は感染していても無症状の場合もありますが、免疫力の低いヒナや幼鳥は発症しやすく、下痢便や血便が出ます(獣医師によると、コクシジウム症に感染していない正常な文鳥でも、オレンジ色や赤色のものがフンに付着することが稀にあるそうです。)。
新しくお迎えしたシルバー文鳥は、おそらく環境の変化によるストレスが大きく、免疫力が低下したのも発症したひとつの原因ではないかと思っています。突然知らない家に連れて行かれたのですから、ストレスを受けるのも当然です。
コクシジウム症の治療記録
ここからは、コクシジウム症の治療と症状についての記録です。
治療1日目
病院では、飲み水に溶かす粉薬を2週間分ほど処方されました。薬の成分は、アプシード(抗原虫薬)、グリチロン(強肝剤)、ビオフェルミン(整腸剤)を合わせたものです。
50ccの水に対して一袋を溶かして与えますが、始めのうちは違和感があるらしく、水に口を付けるだけで飲んでくれませんでした。まずは、味に慣れてもらうために所定の量よりも少なめに水に溶かすと飲んでくれるようになりました。
その他にも治療にあたり以下のことを実践しました。
- ・毎日体重測定をする
- ・水浴び器は外し、薬を溶かした水だけ飲める状態にする
- ・フンを踏まないように、フン切り網を設置する
- ・フンの色が分かりやすいように白いキッチンペーパーをケージの床に敷く
- ・感染防止のため、同居の文鳥と接触させない
- ・止まり木・餌入れ・水入れ・ケージを毎日熱湯消毒する
コクシジウムは、感染した文鳥のフンを口にすることで感染します。排泄された寄生虫が再び口に入ってしまうリスクをできるだけ減らすようにします。
治療1日目の体重:24.0g
治療2日目
朝、血便が1度だけ出ました。その後は通常の色のフンに戻りますが、少し柔らかい状態です。
前日よりも薬の量を増やして水を与えたところ飲んでくれました。
元気はあるため、短時間だけ放鳥をしてストレスを解消させます。水浴びをしたがる様子を見せたので、体を清潔に保つため放鳥時に水浴びをさせました(この日以降も、文鳥の意志に任せて放鳥と水浴びをさせます)。
治療2日目の体重:24.1g
治療3日目
朝、血便が1度だけ出ました。前日よりも血の色が薄くなった印象です。その後は通常の色のフンに戻りますが、少し柔らかいです。
前日よりも薬の量を増やして水を与えたところ飲んでくれました。
治療3日目の体重:23.6g
治療4日目
朝、血便が1度だけ出ました。前日よりも血の色が濃くなった印象です。朝以降は、フンは通常の色と固さになりました。
病院で指示された所定の薬の量で、水を飲んでくれました。
治療4日目の体重:23.5g
治療5日目
血便は出ませんでした。フンは通常の固さで出るようになりました。
治療5日目の体重:24.4g
治療6日目
朝、うっすら血のような色が混じったフンが1度だけ出ました。
治療6日目の体重:24.3g
治療7日目
通常のフンが出ました。
治療7日目の体重:24.3g
治療8日目
朝、血が少し混じったフンが1度だけ出ました。
治療8日目の体重:24.4g
治療9日目
朝、褐色のフンが1度出だけ出ました。
治療9日目の体重:24.6g
治療10日目
朝、一番のフンは通常に見えますが、潰してみると褐色でした。
治療10日目の体重:24.6g
治療11日目
朝、一番のフンは通常に見えますが、潰してみると褐色と濃い黄土色でした。
治療11日目の体重:24.3g
治療12日目
朝、一番のフンは通常に見えます。潰してみると黄土色でした。
治療12日目の体重:24.9g
治療13日目
朝、一番のフンは通常に見えます。前日と同様、潰してみると黄土色でした。
治療13日目の体重:24.3g
治療14日目
朝、一番のフンは通常に見えます。前日と同様、潰してみると黄土色でした。
治療14日目の体重:24.3g
薬を使い終わり病院へ
14日間の投薬治療を終え、フンを検査するために病院へ行きました。
体内の寄生虫の数が少ないと、一度の検査では寄生虫が検出されない可能性があるため、朝一番のフンと、病院への移動中に出した一番新しいフンの両方を検査してもらいました。また、念のため、同居の文鳥のフンも一緒に検査してもらいます。
すべてのフンに異常はなく、治療は終了しました。
コクシジウム症のまとめ
コクシジウム症は、フンと一緒に排出された寄生虫を口に入れることで感染します。
排出されたばかりの新しいフンの時点では、寄生虫は未成熟のため感染力はなく、半日~1日かけて成熟し感染できる状態になります。
薬で体内の寄生虫を減らすのと同時に、フンを口にして再感染しないように、こまめにケージの掃除をすることはとても重要です。
フンを口にしない環境づくりや、文鳥が触れる部分(ケージ・止まり木・餌入れなど)熱湯消毒を毎日おこないます。
また、他の文鳥がいる場合はケージを別々にして、コクシジウムに感染している文鳥が完全に治るまでは、接触をさせないようにします(新しく迎えた文鳥は、現在、感染症にかかっていなくても病気が潜伏している可能性があるため、30日くらい他の文鳥と接触させないようにします)。
しばらく治療をしても、血便や褐色便が続いたり、体重が減り続ける場合は、手遅れになる前に獣医師に相談することが大切です。