文鳥のヒナの餌(成長段階ごとの挿し餌の作り方・与え方・回数)
公開日 最終更新日 | 食・健康
文鳥のヒナを育てるときは、成長段階に合わせて餌の作り方や、与える回数を変えます。
また、挿し餌の方法を間違えると、気管に餌が入り込み、窒息死してしまうことがあるので与え方にも注意が必要です。
正しい知識で、安全にヒナを育ててあげましょう。
挿し餌をする前に
室温を上げましょう
生後1~21日のヒナの適温は30~32度、生後22~63日のヒナの適温は25~28度です。
室温をエアコンなどの暖房器具で十分に暖めてから、挿し餌をしてください。
餌を与えるときの角度に気を付けましょう
口・食道・そのうが一直線になるように上を向かせます。
自然界で、巣の中のヒナが親鳥からご飯をもらうシーンを想像してみてください。ヒナたちは皆、親鳥を見上げて口を大きく開けていると思います。その見上げるときの頭の角度を意識しながら挿し餌をしましょう。
挿し餌をするときに角度に気を付けないと、餌が気管に入り、窒息死してしまうことがあります。
誤嚥させないようにするためにも、上を向かせ、喉の奥の方に餌をゆっくり流し込むイメージで与えます。
※舌の付け根に気管の入り口(喉頭)があるため、気管に餌が入らないように上を向かせることは大切です。
与える時間帯
目安として朝7時~夜19時くらいの間に、挿し餌をおこないます。
19時以降は翌朝までゆっくり休ませてください。
成長過程ごとの与え方
生後1~14日のヒナ
飼育は親鳥にすべてを任せます。
育児放棄のため、どうしても人が育てないといけない場合は、下の「生後15~21日のヒナ」と同様の方法で餌を与えます。
挿し餌の回数は、1時間おき(1日10~13回)が目安です。
生後15~21日のヒナ
挿し餌の回数は、2時間おき(1日6~7回)が目安です。
《挿し餌の作り方》
- ヒナ用のパウダーフードを50℃程のお湯に溶かします(お湯が熱すぎるとフードが固まってしまうので注意)。
※市販されているパウダーフードの中には栄養価の低いものもあります。可能であれば獣医師に相談して、安心できるパウダーフードを紹介してもらいましょう。 - ポタージュくらいのトロトロの状態になったら、温度計を挿します。
- 38~40℃まで温度が下がったら、挿し餌を開始します。
《挿し餌の与え方》
- パウダーフード専用の給餌器に、作ったフードを吸い取り、給餌器の先端を上に向けて挿餌を少しだけ押し出し、空気を抜きます。
- ヒナを手で持ち、給餌器の先端をヒナの前に近づけます。
- 口を開けてご飯を欲しがったら、ヒナが上を向くよう、給餌器の先端で誘導して、口・食道・そのうが一直線になるようにします。
- 給餌器をヒナの口の中にいれると、元気なヒナの場合は自分で給餌器の先端を喉の奥まで入れるので、その状態になったらゆっくりと餌を押し出します。
- ある程度押し出したら、給餌器を口から抜いてヒナが食べ終わるのを待ちます。しばらくするとまた欲しがるので、欲しがるまで何度か続けて挿し餌は終了です。
- 挿し餌が終了したら、遊んだりせずに暖かいケースにすぐに戻してあげます。
生後22~35日のヒナ
挿し餌の回数は、2~3時間おき(1日5~6回)が目安です。
生後22日くらいから、あわ玉、青菜(無農薬の小松や豆苗※)、ミネラルのサプリメントを挿し餌に入れます。サプリメントは信頼できる獣医師に相談して購入しましょう。
※少量の農薬でも文鳥にとっては毒です。必ずよく洗ってください。また、豆苗の豆や根の部分は文鳥にとっては毒なので、葉の部分だけを使います。
この頃から、ひとり餌の練習を始めます。あわの穂やペレットをケースの中に入れておきましょう。
《挿し餌の作り方》
- あわ玉(皮なし)を耐熱容器に入れて、熱湯を注ぎます。
- 不純物を取り除くために一度熱湯を捨てて、再度熱湯を注ぎ、あわ玉をふやかします。
あわ玉と熱湯の比率は、1:2くらいが目安です(あわ玉に対して2倍のお湯) - (1日に1度でかまいません)よく洗ってすり潰した青菜と、ミネラルのサプリメントをひとつまみ程度入れて、温度計を挿します。
- 38~40度まで温度が下がったら、パウダーフードを入れてよく混ぜ、挿餌を開始します。
あわ玉とパウダーフードの比率は、5:2くらいが目安です(あわ玉に対して約1/2弱のパウダーフード)。トロトロの状態になるように調整します。
《挿し餌の与え方》
基本的に生後15~21日のヒナと同じ与え方ですが、パウダーフード専用の給餌器から給餌スポイトに変更します。スポイトに吸い込む量が多いと、一気に飛び出してしまうことがあるので、3cm程度挿餌が入っている状態で与えます。
生後36~49日のヒナ
挿し餌の回数は、ヒナの成長に応じて1日1~3回が目安です。
《挿し餌の作り方》
生後22~35日のヒナと同じものを与えます。
《挿し餌の与え方》
生後22~35日のヒナと同じ与え方です。
ひとりでご飯を食べられるようになり、給餌スポイトを見せても欲しがらなくなったら、挿し餌は卒業です。
挿し餌を欲しがらなくなっても、ひとり餌用として用意したご飯を食べているとは限りません。必ず、ひとり餌用のご飯がちゃんと減っていることを確認してから、挿し餌を卒業するようにしましょう。
なかなか、ひとりでご飯を食べてくれない場合は、放鳥のときにシードをまいて、人間が指先でつつくような動作をすると、真似をして食べてくれることもあります。
まとめ
文鳥の成長過程に応じて、餌の内容や与える回数を変えてあげましょう。餌は作り置きしないで毎回取り替えます。
挿し餌をするときは、気管に餌が入って窒息しないように文鳥を上に向かせ、喉の奥の方に餌を流し込むイメージで与えます。
また、生後22日くらいから、ひとり餌の練習を始めて、飼い主が自立を促す手伝いをすることも大切です。