文鳥のフンの異常で気付く病気(下痢・血便・消化不良・大きなフン)
公開日 最終更新日 | 病気・ケガ
文鳥のフンの状態がおかしいと感じたとき、次のことを参考に病気の可能性を疑ってみてください。
次のような症状が見られたときは、早急に病院へ連れて行きましょう。
下痢をしている
※コクシジウム症に感染した文鳥の下痢便
【疑う病気】
- ・カンジダ症
- ・クラミジア症(オウム病)
- ・コクシジウム症
- ・マクロラブダス(AGY、メガバクテリア)症
- ・胃腸炎
- ・食道炎/そのう炎
カンジダ症
カンジタというカビと同じ仲間の真菌が体内で増殖している状態です。
カンジタは空気中に存在している菌で、免疫力が低下すると体内で増殖して発症します。
下痢以外の症状には、嘔吐、あくび、体重が減る、黒いフンをする、餌が混じったフンをする、羽を膨らませる、などがあります。体重が減っているときは、餌を食べたフリをしているだけで、実際はほとんど食べていない可能性があります。衰弱して死んでしまう恐れがあるため、早急に病院へ連れて行きましょう。
クラミジア症(オウム病)
クラミジアという微生物に感染している状態です。
下痢以外の症状は、鼻水、くしゃみ、嘔吐、あくび、目の充血や涙目、開口呼吸などがあります。
別名オウム病とも言われ、鳥以外にも人間にも感染する病気です。人間が感染すると風邪のような症状が出ます。
急性の場合は、1〜2週間で死に至る可能性があること、また自然治癒が難しいことから、早急に病院へ連れて行き治療をする必要があります。
コクシジウム症
コクシジウムという寄生虫が腸内に入り炎症を起こしている状態です。
下痢以外の症状は、血便が出る、未消化の便が出ることがあります。
体力のある成鳥は感染していても無症状の場合もありますが、免疫力の低いヒナや幼鳥、老鳥に症状が出やすいと言われています。
そのままにしておくと、痩せ衰えて死んでしまう可能性があるので、下痢便や血便が出たときは早急に病院へ連れて行きましょう。
マクロラブダス症
AGY(Avian Gastric Yeast)という真菌に感染している状態です。
下痢以外の症状は、胃炎、食欲不振、消化不良、嘔吐、黒い便などがあります。
文鳥が発症するのは稀と言われています。しかし消化不良を起こしている場合は、食欲があるにも関わらず痩せていくため、深刻な状態になるまで気付きにくい傾向があるようです。異常を察知したら、すぐに病院へ連れて行きましょう。
胃腸炎
胃腸が炎症を起こしている状態です。
下痢以外の症状は、吐き気、嘔吐、腹痛(腹部や地面を蹴るしぐさが見られる)、食欲不振などがあります。
主な原因として、ウイルス・真菌・寄生虫の感染、金属や植物による中毒、ストレスなどがあります
食道炎・そのう炎
食道やそのうが炎症を起こしている状態です。
下痢以外の症状は、吐き気(吐き出し)、食欲不振などがあります。
主な原因として、ヒナに挿し餌を与えるときに、給餌スポイトで食道を傷つけたり、熱い餌でやけどをする、そのうの中の菌が増殖することで炎症を起こします。
血便が出る
※コクシジウム症に感染した文鳥の血便
【疑う病気】
- ・コクシジウム症
コクシジウム症
コクシジウムという寄生虫が腸内に入り炎症を起こしている状態です。
詳しくは上のコクシジウム症の説明をご覧ください。
食べたものそのままのフンが出る
- ・カンジダ症
- ・コクシジウム症
- ・胃腸炎
- ・食道炎/そのう炎
カンジダ症
カンジタというカビと同じ仲間の真菌が体内で増殖している状態です。
詳しくは上のカンジダ症の説明をご覧ください。
コクシジウム症
コクシジウムという寄生虫が腸内に入り炎症を起こしている状態です。
詳しくは上のコクシジウム症の説明をご覧ください。
胃腸炎
胃腸が炎症を起こしている状態です。
詳しくは上の胃腸炎をご覧ください。
食道炎/そのう炎
食道やそのうが炎症を起こしている状態です。
詳しくは上の食道炎をご覧ください。
大きなフンが出る
【疑う病気】
- ・悪性腫瘍
- ・卵材停滞
悪性腫瘍
突然変異を起こした細胞の増殖により腫瘍(がん)ができている状態です。
腫瘍は体の内部(内蔵や骨)にできるものと、体の表面にできるものがあります。体の表面に腫瘍ができる場合でも、羽毛で隠れてしまうため気付きにくく、羽を使いにくそうにしたり、脚に力が入らなくなるなどの異変を察知して、腫瘍を発見することがあります。飼い主の知識だけでは文鳥を守ることは難しいので、動物病院での定期的な健康診断が大切になります。
症状が進行すると、呼吸が荒くなったり、体重が減少したり、貧血になったりします。異常を感じたらできるだけ早く病院へ連れて行き、治療を開始する必要があります。
卵材停滞
メスが産卵できずに、卵や卵材(卵黄・卵白・殻が正常でない卵)が卵管内に停滞している状態です。
症状として、羽を膨らませている、床にうずくまる、食欲不振などの症状があります。
卵が停滞した状態が続くと死んでしまうため、自然に産卵ができない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
※発情期のメスは、巣の中を汚さないようフンの回数を減らし、大きなフンをまとめてすることがあります。病気との判断が難しい場合は、念のため病院で診てもらいましょう。
まとめ
文鳥のフンは、健康状態を知る重要な情報です。
普段から床材に白いペーパーを敷くなどして、フンの状態を確認しやすくしておくことが大切です。もし、フンの異常を察知したら、できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。