文鳥の発情を抑制する方法(発情期にしてあげること)
公開日 最終更新日 | 病気・ケガ
文鳥にとって卵を産むことは命がけです。繁殖させる意図がないのに、むやみに産卵をさせることは、命のリスクを負わせることになります。文鳥を発情させないための対策をいくつか紹介します。
文鳥が卵を産むリスク
文鳥の産卵には、以下のような病気のリスクがあります。
卵詰まり | 卵が子宮や膣部などに停滞してしまい、一定時間以上、卵が産出されない状態です。卵が体内から出ないと死んでしまうことがあります。巣に入って産卵する仕草を見せているのに、羽毛を膨らませてなかなか産まないときは注意が必要です(文鳥は交尾をしてから3日くらいで産卵するので、1週間経っても産まれなければ病気を疑います)。 また、床にうずくまったり、水をよく飲んだり、便秘などの症状も見られます。原因としてはカルシウム不足や日光浴不足、ストレスなどがあります。 |
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卵管脱 (らんかんだつ) |
卵管が排泄口から脱出している状態です。早急な手当てが必要なのですぐに動物病院へ連れて行きましょう。文鳥がつついて出血したりしないよう気を付けながら病院へ連れて行きます。原因としては、卵詰まりなどで産卵が長時間になったり、産卵時の力み過ぎがあります。 |
卵管蓄卵材症 (らんかんちくらんざいしょう) |
卵黄、卵白、卵殻膜、卵殻などの卵材が、卵管に蓄積された状態です。腹部が膨らむなどの症状が見られます。 |
嚢胞性卵巣疾患 (のうほうせいらんそうしっかん) |
過剰な発情のため、卵巣に嚢胞が作られた状態です。腹部全体が膨らむ、食欲不振、嘔吐などの症状が見られます。 |
背中をなでない
発情が頻繁に見られる場合は、背中をなでられるなどの行為はひかえます。
文鳥をかわいがりながら、発情をおさえるという、難しいさじ加減が必要になりますが、もし卵を産んでしまった場合は、これまでの接し方を見直してみましょう。
2歳を過ぎるとあまり発情しなくなると言われています。始めに発情グセがついてしまうと、2歳を過ぎても発情が長引くことがあるので、それまでは辛抱して文鳥の発情を防いであげてください。
声をかけることをひかえる
発情が強い場合は、頻繁に声をかけることをひかえて、ほどほどに会話を楽しみましょう。
つぼ巣や巣材となるものを置かない
つぼ巣などの産卵場所や、ティッシュや紙切れなど、巣材となりそうな素材が身近にあると、産卵を連想してしまいます。巣材となりそうなものは、部屋に置かないようにしましょう。
暗い時間を増やす
日照時間が長いと発情を促します。夜の8時には暗くし、朝8時に起こすなど、1日12時間くらい暗い時間を作って寝かせるようにしましょう。
室温を上げすぎない
室温が高いと発情を促すので、冷房・暖房の設定温度が高すぎないように注意しましょう。
ペアの文鳥としばらくケージを分ける
ペアの文鳥がいる場合は、発情が落ち着くまで、しばらくケージを分けて過ごさせましょう。
鏡を見せない
鏡に映る自分が原因で発情が促される可能性があります。発情したら鏡を見せるのは止めておきましょう。
卵ができてしまったら
体重が増加したり、巣ごもる様子を見せたら体内に卵を抱えているかもしれません。
卵が体に残るのは危険なので、卵が体の中にあることが分かったら、産まれるようにサポートします。
卵を産ませようとケージに巣を入れると、逆に警戒して安心して産卵できないため、ケージのレイアウトはそのままに、ケージ内を薄暗くして産卵してくれるのを待ちます。
体内で卵の殻を作るためにカルシウムを消費するので、十分な食べ物とサプリメントを与えて栄養が不足しないように気を付けます。
卵を体内に抱えてから、なかなか産まれないときは、すぐに動物病院で診てもらいましょう。