文鳥が馴れないときに実践すること
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人間に馴れていない鳥を荒鳥といいます。
文鳥同士でペアになったり、手乗りになる大切な時期(学習期:4週齢~11週齢)に人間と触れ合わなかったり、しばらく文鳥と遊んであげなかったりして、人間に懐かなくなってしまったなど、荒鳥になってしまう理由は様々です。
荒鳥になってしまっても、二度と人間に懐かないということはありません。
文鳥は一緒に暮らしている人間と本当は仲良くなりたいと思っています。
でも、自然界では捕食される側の小さな生き物ですので、巨大な人間が来るとどうしても体が逃げてしまうのです。
まずは怖がらせないように、人間が文鳥の気持ちに歩みよることが大切です。
根気よく愛情を持って接すれば、きっと人間の手や肩に乗ってくれるはずです。
文鳥と信頼関係を築くために、以下のことを実践してみてください。
毎日優しく声をかける
これが一番大切かもしれません。
「おはよう」「元気?」「行ってきます」「ただいま」「おやすみ」など、人間と会話をするように話しかけてみてください。
文鳥の近くを通るときに、「前通るね」「ごきげんだね」「眠いの?」など、なんでも構いません。優しく話しかけてみてください(大きい声だとびっくりしてしまいます)。
仲良く暮らしていこうねという気持ちを毎日根気よく伝えてみてください。
※メスの場合は、求愛と勘違いして発情し、卵を産んでしまうこともあります。卵を産むことは体に負担がかかるので、その場合は声かけをほどほどにします。
文鳥の鳴き声に応える
文鳥は自分が呼んだ相手に無視されると、とても悲しい気持ちになります。
「ピッピッピッ」「チッチッチッ」と鳴いているときは、同じような鳴き声で言葉を返してあげるか、人間の言葉で「なーに?」「どうしたの?」と返してあげます。
とにかく、文鳥の呼びかけに対して、ちゃんと応えてあげることが大切です。
会話がしたいのに無視されて辛いのは、人間も文鳥も同じです。
尖ったものを向けない
指先やペンなどの尖ったものを向けることは、文鳥にとって厳禁です。
文鳥のくちばしは相手を攻撃するときにも使うので、尖ったものを向けるということは威嚇や攻撃をするのと同じです。
敵意を持っていると文鳥に勘違いされないように、指先は向けないようにしましょう。
突然ケージの中に手を入れない
巨大な人間が突然、自分のなわばりであるケージの中に手を入れてきたら、文鳥はびっくりしてしまいます。
ケージの掃除をするときや、ご飯や水を替えるときなど、どうしてもケージの中に手を入れなければならないときは、文鳥に「手を入れさせてね」とひと声かけましょう。
手を入れるときは、入り口で指先を下に向けて置き、しばらく待ちます。敵意がないことを伝えてから、ケージの掃除や水替えなどをおこないましょう。
手に馴らす
人間の手に馴らすことも、仲良くなるためには大切なことです。
手に馴らすことを推奨する理由は、文鳥と信頼関係を築くためであることはもちろんですが、ケージを掃除するときや、病院へ連れて行くときなどに、過剰なストレスがかからないようにするためでもあります。
手に馴らす方法として、次のことを試してみると少しずつ恐怖心が和らぐかもしれません。
まず、手のひらに餌を乗せて、ケージの入り口から少しだけ手を入れます。
文鳥が怖がったり、逃げたりするようであれば、それ以上手は奥に入れないようにします。しばらく手を入れたままにして、手をケージから出しましょう。
文鳥の様子を注意深く観察しながら、毎日少しずつ距離を縮めていきます。文鳥が怖がっている素振りを見せたら、それ以上、手を近づけないのが文鳥とのルールです。
徐々に近づけるよう、毎日根気よく続けていき、文鳥の前まで手を近づけることができたら、餌を食べたり、乗ってきてくれるのを待ちます。あくまでも、文鳥の意志に任せることが大切です。手の上に乗ったら優しく褒めてあげましょう(大きな声を出すとびっくりしてしまうので、優しい声で褒めます)。
放鳥中に追いかけない
文鳥は自然界では捕食される側の小さな生き物です。追いかけられるということは、自分に命の危機が迫っていることを意味します。
追いかけてきて命を脅かす人間とは当然、信頼関係を築くことはできません。
放鳥するときは、ケージの扉を開けたままにして文鳥が自分から出てくるのを待ちましょう(30分くらい経っても出てこないときは扉を閉めましょう)。
扉の開閉にも慣れて、ケージから出たり入ったりするようになっても、大きな声を出したり、近寄ったりしないで、静かに見守りましょう。
放鳥中は、手を差し出したり、追いかけたりしないで、部屋の中で自由に遊ばせてあげてください。
もし、人間の頭や肩に止まったら優しい声で褒めてあげましょう。そのとき急に手を出したりして、文鳥を驚かさないようにしてください。お腹が空くとケージに戻りますので、扉を閉めて放鳥を終了します。
時間をかけてゆっくりと人間は敵ではないことを伝えて、少しづつ信頼関係を作っていきます。
文鳥が放鳥の時間を楽しむようになり、人間に馴れてきたら一緒に遊んであげましょう。
上から掴もうとしない
文鳥は上から覆うように捕まえようとすると、捕食されることをイメージしてしまい、恐怖を感じます。
文鳥と仲良くなってきたら、手のひらを上に向け、下から包むように誘導すると、手の中に入ってくれることがあります。
ケージを高いところに置く
ゲージの位置が人間に見下ろされる位置にあると文鳥は落ち着くことができません。
高さのあるテーブルの上など、人間の行動が見渡せる場所にケージを置くことが理想です。
また、人間が頻繁に通る部屋の真ん中や、扉の近くなどにケージがあると落ち着くことができないので、壁際や、人の往来がストレスにならない場所に置いてあげましょう。
他の文鳥と触れ合っている姿を見せる
多頭飼いをしている場合は、他の文鳥が人間と仲良くしているのを見て、警戒心が和らぐこともあります。
ケージの扉を閉めた状態で、他の文鳥と遊んでいる姿を見せましょう。
文鳥は目で見た情報から学習していく動物です。
先住の文鳥がいる場合、その文鳥の行動を見てお手本にします。
人間と一緒にいることが自分にとって危険でないことが分かれば、信頼関係を築きやすくなります。
まとめ
ケージの中で、人間に怯えながら、誰にも相手にされず暮らしていくのは、文鳥にとって良い人生とはいえません。
荒鳥になった文鳥は、人間に馴れるまでに時間はかかりますが、毎日優しく話しかけて、一緒に生活する大切な仲間であることを文鳥に根気よく伝えましょう。
少しづつ信頼関係を築いていけば、いつかきっと心を開いてくれるはずです。